失いたくないから愛せない


結局、それから一週間学校を休んだ。



オリエンテーションの日を入れれば、10日間休んだことになる。





休んでいる間に、加奈子と小林がますます親しくなってるんじゃないかという不安が拭いきれない。


久々に登校して、下駄箱で深いため息を吐いた。


教室に行く足が重い…。



すると、そんな俺の背中をバシッと叩くやつが現れた。


恵だった。



「ちょっとなになに!?やっと登校してきたのに、元気ないじゃん!」


「恵…」

「ったく。もう治ったんでしょ?良い尽くしで良かったじゃん?」

恵がなぜかニヤニヤしている。



「は?なんだよそれ」


「にしては、あんた痩せた?イケメンが台無しじゃん」


恵の言っている意味が分からない。