すると、俺の右手に人の感触を感じる。



手を握ってくれてる?





ぼんやりとした意識の中、目をゆっくりと開けると、加奈子らしき姿が目に入った。




でもこれはきっと、熱のせいで見ている幻覚に過ぎないと思う…




俺の願いが勝手に見えるようにそうさせているだけ…




恵だろ?




それか…他の元カノ…





再び目を閉じた。




加奈子…




加奈子に逢いたい…




薄れいく意識の中、夢の中でそう何度も叫んだ…。