「あいつはやめとけ」
友亮くんの低い冷たい声が響く。
でもその冷たい声の中に、優しさがある気がした。
「…ないよ」
「あ?」
もう一度言う。
「小林くんとは付き合わないよ」
今度ははっきり聞こえたらしく、友亮くんの表情がゆっくりと緩やかになった。
「あたしが好きなのは…」
私は息を呑んだ。
はっきりと顔が浮かぶ。
「廣祐?」
私が言う前に、友亮くんが言った。
私は頷いた。
友亮くんは、
「そっか。それ聞いて安心した。早くあいつに言ってやれよ」
友亮くんは優しい顔になった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…