「あいつはやめとけ」

友亮くんの低い冷たい声が響く。



でもその冷たい声の中に、優しさがある気がした。






「…ないよ」


「あ?」






もう一度言う。


「小林くんとは付き合わないよ」


今度ははっきり聞こえたらしく、友亮くんの表情がゆっくりと緩やかになった。


「あたしが好きなのは…」





私は息を呑んだ。



はっきりと顔が浮かぶ。



「廣祐?」


私が言う前に、友亮くんが言った。



私は頷いた。






友亮くんは、


「そっか。それ聞いて安心した。早くあいつに言ってやれよ」


友亮くんは優しい顔になった。