失いたくないから愛せない


俺は息を呑んだ。


でも、なんで小林が知っているんだ?


廣祐が川瀬を好きだということを…。




「つーか、小林。なんで安藤が川瀬に惚れてんの知ってんだ?」


俺の心の声を小林のダチが代弁して聞いてきた。


「従兄弟がよ、あいつらと同じ中学だったんだ。安藤、今は女にチヤホヤされてっけど、中学時代いじめられてたんだぜ?」

「マジかよ!」

「川瀬が安藤をいじめから救ったんだと」


「なんだよー安藤だせぇじゃん」


「従兄弟曰く、安藤は川瀬に本気だって話だよ」



そう言った小林は不敵な笑みを浮かべていた。

周りのダチもケラケラ笑ってやがる。


「なんだよ。じゃあ、お前は川瀬に本気じゃねえの?」


「当たり前だろ。あんな普通過ぎる女。安藤への復讐に過ぎねぇよ」


小林が吐き捨てた言葉に、ずっと我慢して聞いていた俺の理性が吹っ飛んだ。





俺は気がつけば、小林に掴みかかっていた。