高校に入って、いかすかねぇ奴が居た。
俺の隣の席に座る、安藤廣祐。
いつも、女子からチヤホヤされている。
愛想笑いで女子を手玉に取る感じが鼻に付く。
なんで女子はこんな奴が好きなんだ?
だが、入学して半月も経たないうちに、俺はそんな廣祐が1番のダチになっていた。
モテるからといって、廣祐はかっこつけることはなかった。
むしろ、ダサいとこしか見たことがない。
愛想笑いと思っていたが、それはありのままで実は何も考えていないし、女子にモテていることすら、あんまり実感していないみたいだった。
しかも、廣祐は恋愛に対して一途で、付き合っている女はいるが、どうやらずっと同じクラスの川瀬加奈子のことが好きらしい。