「加奈子ー。帰ろう」 放課後、親友の千英(ちえ)がいつも通り声掛けてきた。 「ごめん千英。今日、委員会の集まりがあるんだ。先に帰って」 「そっかぁー分かった。じゃあ、また明日ね」 「うん、またね。ばいばい」 今日は、来週行われる一泊二日のオリエンテーションの委員会がある。 私は、クラスの実行委員だった。 なりたくて引き受けたわけじゃなく、委員を決める時、クジで運悪く当たってしまった。