失いたくないから愛せない


病院から帰ると、ベッドに倒れ込んだ。


「よかったね。ただの風邪で」

「恵、ごめんな」

「いいよ。気にしないで…」

恵が何か言いたそうな顔をしてる。


「ん?」

「廣祐なんかあった?昨日から様子が変だったから、今朝気になって電話したの」

「…情けねぇ俺に腹が立ってるだけ」

「え?」

「恵の言う通り、俺はヘタレだから」

「……」

「あいつがなんで小林なんかと…でも、何も出来ない俺自身が一番ムカつく」

「それって…もしかして…川瀬さん?」



今まで隠してた思いを恵にぶつけてしまった。


きっと、熱のせいだ。


熱が理性を壊す。