風邪を引いてしまった…。
体温が高くて、計ってみると38度だった。
ベッドから部屋の天井を眺めていると、熱のせいか頭がボーッとなって余計なことばかりを考えてしまう。
携帯がブーブー鳴っていたので、見てみると、恵からだった。
こんな時でさえ、加奈子だったらイイなと思ってしまう自分にことごとく呆れてしまう…。
「…もしもし?」
『廣祐。おはよー。ん?風邪?』
「んー。熱があって今日休むわー」
『え?大丈夫なの?』
「寝てりゃ治るだろ?」
『…そっか。分かった。うん、ちょっと待ってて』
そう言って恵からの電話は切れた。
ちょっと待ってて…って、まさか来るわけじゃ…ないよな?
そもそもなんで電話して来たんだ?
予想通り、20分後…恵は家にやって来た。