失いたくないから愛せない


「え?」

オリエンテーション当日の翌朝、バスの前で実行委員の私に先生が声を掛けてきた。
その内容に一気に力が抜けた。



「安藤のやつ、体調不良で休むそうだ。残念だなぁーせっかくオリエンテーションなのになぁ」



廣祐はまさかの欠席…。



「確か、川瀬同じ班だったよな?一人減ったから先生がヘルプで入るから、必要な時は声掛けてくれ」

「…はい」

「まぁ色々頼むな実行委員」

先生は、私の肩をポンと叩いてバスに乗り込んだ。

私も先生の後に続いて乗り込んだ。





バスの席も班ずつに決めていた。



千英と明日美ちゃんは一緒に隣同士に座っていた。

「ごめん、加奈子。先に乗っちゃってて」

「あ、全然。千英酔いやすいから、窓際が良いでしょ?あたしも窓際が良いから気にしないで」

私は、2人の後ろに座った。