失いたくないから愛せない


「久保田廣祐。俺は、世間がどうであれ、久保田廣祐なんだ!」

もしかして…


安藤くんは、安藤くんって呼ばれるのつらい?




「加奈子」

「え?」


今まで黙っていた突然の私の言葉に、安藤くん…いや、廣祐は目が点になっていた。


私は、勢いよくベンチから立ち上がった。


そして、


「これからは、廣祐って呼ぶよ!あたしのことも、加奈子って呼んで!」

廣祐は私の言動に一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。


「いきなり呼び捨て?やっぱ加奈子かっこいいし、面白いね」


廣祐はケラケラと笑った。