失いたくないから愛せない


安藤くんは、息をついてゆっくりと話し出した。


「俺にサッカーを教えてくれたのは、父さんなんだ。サッカーボールをまだ小さい頃に買ってくれた」


私は、ただ黙って安藤くんの話を聞くことにした。


「父さんが大好きだった。俺の自慢の父さんだった」


安藤くんの目は今まで見た中で1番優しい目をしていた。

お父さんのこと大好きだったんだね?




って…え?


ちょっとまって?だったって…

もしかして…


「ーけど、父さんは俺が転校する一ヶ月前に病気で死んだんだ…」


安藤くんは悲しい目になった。