失いたくないから愛せない


一瞬、何が起きたのか、私も周りのみんなも分からなかった。



安藤くんが突然現れてシュートをしたことに、茫然となっている。





安藤くんは、ゴールから私にゆっくりと目を移した。



「川瀬さん大丈夫?」


安藤くんの声に、我に返った。


「安藤くん…」


「よかった。当たらなくて」


安藤くんがホッと安心したように優しい表情をした。


こんな表情見たことがなく、思わずドキッとしてしまった。



「安藤くんじゃん!」

「おいおい、まじかよー」

「なんでいきなりいるんだよ?」

「ちょっとさっきのかっこよくなかった?」


周りが騒ぎ出した。