失いたくないから愛せない


邪魔はしたくなかった。


だから声を掛けるのはやめようと思った。

近くのベンチに座り、安藤くんをずっと見続けた。

安藤くんは、私がまるで透明人間かのように一切気にせず、一心不乱にボールを蹴っている。



すごくかっこいいと思った。



ボールを蹴る様が、キラキラ輝いて見えた…。




そして、


気がつけば陽が落ち始めた。




「お疲れさま」


息を吐いて座り込んだ安藤くんに、近くの自販機で買ってきたドリンクを渡そうと近付いた。