赤い海




「あずちゃん・・・」

「花梨さん・・・」



花梨さんの目は腫れていた。




「あずちゃん・・ありがとう・・・兄ちゃんに・・・幸せを・・・ッ・・」



「いいえ・・・あたしは洸になんにも返してないです。あたしばっか・・・いつも・・・」



「違うよ。洸は変わったの」





「洸は昔凄く荒れててね」



「え?洸が?」



「うん」



「聞かせてださい。・・・あたし知りたいんです・・・洸の全部を・・・」






「いいよ」