俺の家から海までは、下り坂一本。 チャリに乗ってその坂を下ると、もうまさにジェットコースターだ。 夏海はそれが楽しいらしく、いつも俺に運転させる。 あっという間に海に着いた。 「はぁーっ、気持ちいー」 夏海は大きく両腕を広げると、スーッと深く息を吸った。 二人で浜辺に腰をおろす。 夕日が海に反射して、オレンジ色に輝いている。 波が打ち寄せる音に身を任せると、少しずつ疲れが取れる気がした。 コイツと海に来たこと、あながち間違っていなかったかもな。