「とびきりにかわいい服が必要だね……あとメイクもねっ」
という聖華の提案で、二人でショップを回りまくった。
あれよこれよというまに、聖華は私の体にいろんな服を当てていく。
「んー……これもいいけど、違うんだよなぁ」
「んー……これはこれで似合うけど、でもそうじゃなくって……」
「んー……これじゃ足りないかな」
「あの、……聖華?なにを根拠に選ぼうとしてるの?」
ダメだしをされていった服たちはどれもかわいいものばかりで。
なにが違ったり、そうじゃなかったり、足りないのか……私にはさっぱりわからなかった。
「いい?美衣。今回のテーマはね……」
いつになく真剣な顔でそう言った聖華の次の言葉に、ひっくり返りそうになったのは言うまでもない。
(ていうか、テーマとかあったんだ……)
「ズバリ、橋本くんにキスしてもらえるファッション!!」