「っていうこと、なんだけど……」
『いいじゃん!デートしなよっ』
聖華に電話で事情を話すと、なんとも軽いノリの答えが返ってきた。
「で、でもさぁ?その……橋本くんは、私の誕生日を知らないわけで」
『うん、……それが?』
「いや、だからさ、それでデートに行くなら、……私から誘わなきゃダメでしょ?」
『うん』
「それってつまり、誕生日祝ってほしいって催促してるみたいじゃん。それは嫌だなぁって思って……」
なにも言わずにただデートに誘うってのもありだけど、絶対怪しまれるというか、不思議がられる、というか。
とにかく、それは嫌だ。
『うーん、そうなんだ……ほぉ~?』
「……ん?え、っと……」
……聖華さん……?
なにか、たくらんでませんか……?