「今年もふつうに家族で祝っていいの?」
「うん、そのつもりだけど」
「あら、そう」
え?
あら、って……。
友達とパーティーしてこいってわけ?
「なにー、家族でやっちゃだめなの?」
お母さんの返し方が気になって、聞いてみた。
「あぁ、そうじゃなくってね?……美衣も高校生なんだし、その……」
「その……?」
言葉を濁すお母さんに、追い討ちをかけた。
てか、そこまでゴニョゴニョ言う必要があるのか……。
「彼氏とか、いるかもしれないじゃない?」
「……っ!?」
「だからね~……彼氏と、デート♡なんてこと、あるんじゃないかなぁ、なんて思ってぇ~……うふふ」
世の中のJK及び10代の女の子たち、教えてください。
……彼氏います宣言はどうするべきなんですかっ!?
とにかく、どうする美衣!
「ね、ね、ぶっちゃけどうなの?今お父さんいないし、お母さんだけでいいから教えて~!」
「え、えぇっとー……そのー……」
確かに今日お父さんは飲み会らしくて遅くに帰ってくるはずだから、今このタイミングで帰宅!なんてことはまずない。
だからって……。
家族に打ち明けるって、けっこう勇気いるんだ……。
お母さんは素晴らしいほどに輝かしい視線を送ってくる。
言うしかないのか?
嘘をつくって手もあるし……。
正直、あまりに突然起きたぶっちゃけタイムについていけてないのが現実ではある。
そうだけど、そうなんだけど、ここはもう……
「あ、あのね……お付き合い、してる人、いるんだ……っ」
あぁ、言っちゃった……。
これで、いじられるな……きっと。
それは嫌だけど、でもなんだか隠せなくて。
「……」
あれ……?
無反応、ですか……?
「お、母さん……?」
「……いやぁ、もしかしてなんて思ってたら、本当に彼氏いるなんて、ねぇ……」
目がキラキラですね……。
どれだけ感動してるのよ、まったく。
「よしっ、美衣!あんたの誕生日、彼氏さんにしっかり祝ってもらいなさいっ!」
「え、え~~~~っ!」