「忘れ物大丈夫なのー?」





玄関で靴を履いていると、後ろからひょこっとお母さんが顔を出す。





「大丈夫ー!……なはず」





「えぇ!?あんたそれで大丈夫!?」





……なはず、まで聞こえてたんだ……。






「うん!まあ特に持ち物もないしー」





「あっそう」





「じゃー行ってきまーす」





「行ってらっしゃーい」






ドアを開けて外に出ると、なんとも言えない冬の空気が私を包む。






一言で言っちゃえば寒いんだけど……。






寒いからか早まる足取りは、親友、聖華の家に向かう。