俺は全力で走ってコートに倒れている夏のところにいった。


 もちろん会場は試合どころではない。
  

 「………おいっ…夏…夏っっ!!!!!!」


 夏の肩を思いっきり揺らすが目を覚まさない。


 「……っ…。」


 俺は夏を抱き上げた。


 「大成君。医務室へ!急いで!!!!!!」


 監督が慌てている。


 「はい……。」


 俺は夏を抱えて歩き出した。


 会場からは

 
 「キャーッ!!!!!!かっこいいー!」


 
 とか、


 「美男美女お似合いだぜ!!!!!!」


 って聞こえるけど、全然嬉しくない。


 夏を抱えて歩くと目の前にあの六番がいた。


 俺がそいつを睨むと、睨まれたことに気づかない六番が頬を赤くした。


 余計にムカついて通り際に一言……


 「……お前……バスケやる資格ねーよ…」


 そいつは床に崩れ落ちた。