陽だまりの眠り姫

そんな生活を送っていたせいだろうか。

あの真っ暗な牢屋の中。
光の一筋も差し込まない、鉄の檻。

私は何かを失くしてしまった。

それから、何も感じない。
ただ、従うだけ。

それから、エルの顔は凍てついたように動かない。

ただただ無表情で、与えられた命令に従うのだった。


そんなエルを横目に、ハウザーは彼女が心配でならなかった。

彼女は奴隷だ。

もし、誰かに買われてしまったら、彼女はその主人に背くことは決してしないだろう。

それこそ、その主人がもしも危険な人物であれば、彼女に何をさせるか分からない。

だって彼女は従順なのだ。

それをいい事に、彼女を悪用する奴だっているはずなのだ。