陽だまりの眠り姫

考えても考えても、ただ時間か過ぎていくだけ。
その内、少女は考える事をやめた。

そして、ただその珍しい髪を必死に守ってきたのだった。


「早く引き捉えるのだ!!国王様がお怒りになられるぞ!!逃がすでない!」

まだ諦めていなかったのか、と少女は思った。

長く伸びた髪を抱え、なるべく月光に反射しないように隠すと。
そのまま、一気に走り出す。

突然。少女の髪の光を失った騎士達は、困惑していた。
唯一の手掛かりだった物を見失い、そのチャンスを少女は見逃さなかった。

レンガの路地を裸足で駆け抜け、茂みの中に身を隠すと、息を潜めてただ時間か過ぎるのを待った。