地面を這うのは、冷気。

底冷えた寒さだけが、そこには残る。


自分が何をしたのか何も覚えていない。
その代わりに、自分の肌は凍った様に冷たくなっていた。
心も何も感じない。

誰が死んだのか。
だからどうなるのか。

まるで、その時から全ての色がなくなった様だった。

どうしてこうなったのか。
考えても分からないまま、時間だけが過ぎた。


1つ。
確かなことがあるとすれば。

それは、その時に私を見て不気味に微笑むある男。
私はその男とずっと一緒に居たという事。


それでも、いつの間にかその男は王国が滅びると消えていて。
私は気が付けば、あの地下にいた。


ただそれだけ。



少し長くお湯に浸かりすぎた。

何を考えているのか。

そんなことしたって、私が異形である事に変わりはないのだ。