裏の井戸へと行くと、桶を落とし、ぼんやりと立っているエルに駆け寄る。 「エル!!いいか。今から私の言う事をちゃんと聞くんだ」 「…ハウザー」 彼女の肩を掴み、その虚ろな綺麗な瞳を覗き込む。 そして、驚く。 そんなエルの瞳には、見たことのない、強い意志が宿っているように見えたのだ。 「時間は、ない。とにかくここから逃げるんだ」 「ハウザーは?どうするの」 「私は大丈夫だ。だから、早く。これを持って逃げるんだ」 「……これ」 「エルの大切な物だろう?さあ、早く!!とにかく走るんだ!!」