浅はかだった。
エルは思った。今の生活に浸りすぎたのだと。
今、店先にいるのは、ただの騎士ではない。
騎士の中でも、トップに立つ聖騎士だ。
「髪の綺麗な娘ですか」
「抵抗は許されぬぞ。もしそうなれば、王への反逆と見なす」
「分かりました。ですが、私の目では分かりかねます。どうぞ、中へ。ご自分の目でお確かめ下さい」
そうして、ハウザーは聖騎士達をテントの中へ招き入れた。
エルが裏に水を汲みに行っていると、願って。
どうか、テントには戻って来るな、エル。
そう願い、聖騎士達がテントに入ったのを確認すると、ハウザーは引き出しの中からそれを取り出し、裏へと向かった。
