「…美鈴」 「お願い、お願い、橙也くん…」 俺は泣き出しそうに、 目にいっぱい涙をためている 美鈴の姿を見ていられなくなった。 美鈴のことを好きになれば、 俺は侑夏のことも 綺麗さっぱり忘れるかもしれない。 侑夏だって、男子といたじゃないか。 いや、でもあいつらが 友達だったらまだ侑夏には 彼氏がいないのではないか? いや、彼氏じゃなくても 侑夏がどちらかのことを 好きだったら… 俺はどうしていいかわからなくなった。 どうしてみんなみんなが 幸せになることはできないのか。