「こんなけ経っても忘れられないならさ、
本当に好きな人だけを考えるといいよ。」
「本当に好きな人?」
「きっと今の侑夏はずっと、
元彼と橘を天秤にかけてて、
どちらにも傾いてないんだよ。
ずっと一定に保ってさ。
だから侑夏は少し
どっちかに傾くべきだと思うよ。」
「そんなさー、私だって…」
私はまたレポート用紙をびりびりに破いた。
「レポート用紙無駄になんぞ。」
「もーいいよ、実験のレポートも書くの疲れたし…」
「橘にもっと甘えてみれば?」
くすっと裕介が、笑う。
「私が甘えたら気持ち悪いでしょ。」
「あーね、たしかに」

