リビングに行ったら彼はグラタンをテーブルに置いていたところで。





「食べて。」


「あ、はい。」




キッチンとリビングは繋がっていてガラス張りで、外は丸見え。





晴れてたらいい景色だろうな。




「いただきます。」


「い、いただきます。」



初対面、しかも名前の知らない男の家で彼の手料理を向かい合っ食べるとか…。




「ん、おいしい。」




本当に、私より料理上手いんじゃないかな。




「よかった。」


「っ…。」





彼と出会ってずっと無表情でちょっと怖かったけど、今の笑顔を見てわかった。





この人、本当はすごく優しい人なんじゃ…。






グラタンを食べ終え、せめてお礼にお皿を洗おうとしたら彼に止められソファーに座らされた。




しばらくして彼は皿を洗い終えコーヒーを2つもち、私の前に座った。