「あー、佐倉。それだけか?」 唖然から解放された担任が聞いてきた。 おそらく、他の生徒は自分のアピールが過剰なのに対し、私は不足しているのかもしれない。 私は名前だけでいいと思うけど。 「はい。それだけです。」 その言葉にも担任は目を見開いている。 それほどまでに驚くことはないと思う。 逆にこっちが驚きだ。 「えっと、次。」 我に返った担任の声。 戸惑いながらのアピールが始まった。 ゆるりゆるりと時は過ぎて行く…