そして、また、我に返る。
この短時間で私の意識はいろんなところに飛んでる。
おい、私の意識戻ってこい。
あ、名前を言わなくちゃ…
「えと、立花 小晴 です。」
声が震える。
彼の顔が見れなくて、彼の手に視線を移す。
私の欄に丸をつける。それだけですこし嬉しくて、恥ずかしい。
隣にいた人にパンフレットを渡された。
いたんだ。
即座に心から謝る。
あの人しか見えてなかった。
駆け足で自分の学校の列に並ぶ。
まだ、頭の中がホワホワしてる。
……
まって、大事なことに気づいたよ、小晴さん。
私……
あの人の声聞いてない!
しかも、もう会えないかもしれない!
あー…もっと 見とけばよかった…((そこかよ。
もう、遅い。
いや、まだ見える位置にいると思うんだけど…
高校の体験入学なので、
チラチラとよそ見をしていいような、そんな雰囲気では、全くない。
しかも、そんな勇気私にはない。
あー、もう見れないし、会えない。
いや、でもちょっとは期待してたのかな…
これから、また会えるかもって、
まだ、学校内に残ってるかも。って