彩「こんな背、すぐにぬかすからっ!」




ふんっ…と私はそっぽを向く。




健「はいはい」




夕「ガキですなぁ〜」




彩「むむむっ…!?バカ、聞こえてる」




夕「さーせんっ!!てかぁ
俺、バカじゃないっす!まかっす」




彩「ふん…!」




強がってるけど、本当は弱い。
口調だと、すごく生意気な私で
夕貴は私に叶わないって思ってる人
多いけど…実は夕貴は黒帯。

私なんかより、ずっと上。




夕「もーそう怒らないでくださいよっ」




夕貴が私の肩をつかんだ。




いっ………!!!!!




彩「はなしてっ!!!!!」




私は叫んでいた。




夕「い、ろは………?」




こわい…こわいこわいこわい。
いやだ、こわいよ……お父さん…。




蓮「おまっ!肩つかんだのか!?」




夕「え…?」




蓮「お前、忘れたのかよ!?
彩葉は肩をあの時怪我してて…!」




夕「っ……!ご、ごめん…俺」




いやだ……痛い、こわいよ…。
痛いよぉ……。




うっ……こわい…こわい…




私の目からは涙が流れていた。




頭の中にあの日の記憶が
いっきによみがえる。




彩「もう、嫌だ……」




私は、そのまま目をつむった…。