☆蓮斗side☆




俺は………ちっさい頃から
思い続けてるやつがいる…。





幼なじみの雨斉彩葉だ。




あっちなんか、俺への好きなんて
消えちゃってるんじゃねぇか…?




あいつは…あぁ見えて寂しがり屋。




乃「あ、あのー…蓮斗くん?」




彩葉の親友、乃愛が話しかけてきた。




蓮「ん?」




乃「いろちゃん…なんかあったの?
さっきの話だよ…」




親友か。
いいな、彩葉。お前はこんな
いい親友をもって。

こいつになら…いいよな?

彩葉…

俺は机に突っ伏して寝ている
彩葉の背中に胸の中で問いかけた。




蓮「あいつ、ちっさい頃、
すげー活発でよ。男子に
すげー好かれるやつだったんだ。
でも、ある日誘拐されてよ。
寂しがり屋なあいつは
ガタガタ震えてて…それを
必死に探して見つけたのが
俺ら4人だった…幼なじみだから
とか、そういうのじゃなかった。
あいつは、小さい頃に目の前で
父親が死ぬところを見たんだ。
父親は事故でもなく自殺でもなく
殺されたんだ…。娘の目の前で。
だから、今度は自分が
殺されるんじゃないかって
すげー震えてて…なんとか
助けれたんだけど、そのあと
1ヶ月くらい彩葉は声が
出なくなって…。だから
今度こそそういうことがないように
って俺らはこいつを一人にしない」




乃「いろちゃん…そんなことが」




他の3人も黙り始める。




蓮「大丈夫だよ。俺らが一人には
させない。守るって約束したから」




健「大丈夫…ですよね。」




すると、彩葉が「やめて…」
と言いながら起きてきた。




彩「あれ……?夢…か」




蓮「あの日の夢…見たのか?」




彩「え?ん?う、ううんっ!!
違う違う。そんな夢見てないよっ」




ニコッと笑う彩葉。

嘘だ………。
こいつ、嘘つくとき
絶対自分の手をつねるんだよ。

嘘が下手だから…
本音言わないように
隠そうとして。




それは…乃愛でも知ってる
彩葉の癖。




彩葉は…どうして嘘をつこうとする?