大切な記憶を

…あれから、二時間がたった。

視衣は、まだ出てこない。

子供たちはみんなぐっすりと眠ってしまい、私と憐の体に寄り掛かっている。

憐と視衣の両親は、少し離れたところで何やら険しい顔をして話していた。

私は隣の憐を見てそっと話しかける。

「…みんな、寝ちゃったね。」

子供たちを起こさないようにひそひそと話す。

「だな。」

憐も小さく答える。

「おかげさまで、身動きが取れない。」

「ふふっ、そうだね。」

憐のおどけた声に、私は思わず笑ってしまう。