大切な記憶を


「じゃーね。」

私はさみしさを顔に出さないように、さっと背中を向けて歩き出す。

と、

「っきゃっ?…!」

私の体に、いきなり憐の腕が回った。

憐に、後ろから抱きしめられていた。

「れ、憐…?!」

いきなりのことで、私はつい動揺してしまう。

「…ごめん、ちょっと。」

憐の低い声がすぐ耳元でささやかれる。

私は思わず顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。