大切な記憶を

「お願い。…私の言うことなんでも聞いてくれるんでしょ?」

「…」

憐は恥ずかしそうに少し頬を染めて、頭をかく。

しかしやがて、意を決したように口を開いた。

「じゃ、目…つむって?」

「ん…。」

私はドキドキする心臓を抑え込んで、ゆっくりと目を閉じる。

心臓の音が、自分の耳の中でうるさいほど鳴って聞こえる。

すっと、私の顎に何かがふれた。

それが少しごつごつした男の子の手をした憐の手だって認識するのに数秒かかった。