大切な記憶を

とたんに強い風が私の制服と長い髪を揺らす。

そして私の視線のまっすぐ、目の前に。

大きな憐の後姿があった。

ドアの音に気付いたのか、憐がゆっくりと振り返る。

私もゆっくりと憐に向かって歩き出す。

だけど、私の足は自然と早くなって、最終的に走り出していた。

憐がどんどん近づく。

「憐!」

「ん。」

私は憐にぶつかる寸前で立ち止まる。