大切な記憶を

私の目の前に重々しい分厚い鉄のドアがある。

屋上へつながるドアだ。

私はそっとドアノブに触れる。

ひんやりとした冷たい温度が伝わって私の体が小さく震える。

このドアの向こうに、憐がいる。

憐が、待っている。

私は息を吸い込んでドアを開けた。