大切な記憶を

気が付いたら、私は憐の腕の中にすっぽりと収まっていた。

私の腕が憐に引かれて抱きしめられたんだと頭が認識するまで、数秒かかる。

「好きです。視衣。」

憐の低い声が私の耳のすぐ後ろで聞こえる。

私の体が恥ずかしさとうれしさでほてっていく。

と同時に安心で涙をこらえていた私の涙腺がゆるんで、あとからあとから涙が出てしまう。