大切な記憶を

「君は、病気なの?」



私は首をふって



「いえ、私は事故で。」


「そうなんだ…痛そうだね。」



「今はそれほど痛くないですよ。事故にあってから少したってるので。」


「それでも痛そうだよ。事故での怪我っていちばん痛いと思うから。」


男の子はそう言うと、いきなり私の手を握った。



「え?!え、あ、あの?」



私が動揺するのも気に止めず、男の子は優しくその手を包み込んだ。




男の子の手は、とても温かった。