大切な記憶を

不意に後ろから声をかけられ、振り向くとそこには、光に溶け込むような眩しい白い髪がひときわ目を引く、一人の男の子が立っていた。



男の子はふんわりと柔らかく笑って、私の車椅子の手すりをつかみ、



「押しますね。」



と言って、ゆっくり歩き出した。




「あ、ありがとうございます…。」




私は、その綺麗な白い髪と、まるで漫画に出てくるような端正な顔立ちをしたその男の子にすこしドキドキしながら、押されるがまま木の根元に近づいていった。