大切な記憶を

その日見た夢は、不思議な夢だった。




初めて見たまずの景色なのに、まるで一回体験したような…いわゆる既視感と言うのを感じる夢だった。






朝教室に入ると、後ろから衣亜が抱きついてきて、満面の笑顔で、「おめでとう」と笑う。




それが何を意味しているのか、すぐにわかった私は、何故か憐君の顔を思い浮かべて赤くなる。



「視衣もついに……かぁ!!!私も負けてられない!!!」



待って、衣亜、今、なんて言ったの?





ごめん、よく聞こえなかった、もう一回言って?









「え?だから、視衣も……かーって言ったんだけど?」






え?なに?わかんない、聞こえない。




聞き返した時、目の前の衣亜の姿がぐにゃりとゆがんで、だんだん視界が白くなっていく。