大切な記憶を

すると、大好きな人の足音が、私のすぐ目の前で止まったのがわかった。





大きなカバンをドスンと地面においてしゃがみこんでから私の顔をのぞき込むのがわかる。




笑わないように必死になりながら寝た振りを続けると、ふわりと憐の手が私の頭を撫でて、





「衣亜?…寝てるの?」




と優しく話しかける声が聞こえた。





それだけで、胸がキュンとなる。