大切な記憶を

しばらくすると、遠くから大きなカバンを持ったシルエットが浮かび上がってきた。







絶対憐だ、とわかった瞬間、私は少し遊んでやろうと思って、ベンチに座ったまま寝た振りをした。






目を閉じると、私の体を優しい撫でていく風の音や、だんだん近づいてくる憐の足音が、やけに大きく聞こえた。






寝た振りもだいぶうずうずするな…早く来て、とそう思いながら頑張って寝た振りを続ける。