大切な記憶を

私は口に出して毒つきながらイライラをためてリビングに戻る。

「視衣~?そろそろ行かなきゃ。」

「わかってる~」

くそっ、あのバカのせいで時間とられたっ。

私は食べかけの食パンを口にくわえて、起きてきたらしい新衣の幼稚園の制服を着させているお母さんの横をすり抜けてカバンを手に取る。

時刻は8時15分。

私は玄関でローファーを履き、リビングに向かって声を投げた。

「じゃ、行ってきまーす!」

「いってらっしゃーい!」

妹弟お母さんの声を背に聞いて私は家を飛び出した。