大切な記憶を

オレンジ色に染まる住宅街を憐と手を握りながら歩く。

お互い会話はなく、ただ握った手のぬくもりを逃がさないように何度も握り直す。

そのまま違う方向へ進む曲がり角まで来てしまった。

憐は止まって私に声をかける。

「じゃあ、また明日。」

「うん…。」