開けた途端、病室の中から眩しい朝日がまっすぐ伸びて私たちを照らした。

四人部屋の少し広い病室には、一番左奥のベット以外使用されていなかった。

そう、一番左奥のベット…一番太陽の光に照らされているベットに、その子はいた。

「視衣…。」

頭に包帯を巻いて、長い髪が風にふわふわと揺れている、あの子が。

「視衣!」

憐が叫んで、あの子の名前を呼ぶ。

その子は静かに窓の外を見ていた顔をドアの前に立っている私たちに向けた。