私たちは視衣の入院している病院に駆け込むと、看護師さんの制止の声も聞かず、ひたすらに視衣の病室に向かう。

着くまでの時間はとても短く感じられて、気づいたら視衣の病室の前で止まっていた。

「憐…。」

私はなんだか怖くなって憐の腕を握る。

憐はそんな私の手を優しく握って意を決したように言う。

「行くぞ。」

「うん。」

憐が病室の扉に手をかけて、静かに開けた。