大切な記憶を

そんな言葉を残した視衣ママの目がどうみても悲しげで、私は思わず、

「…お邪魔しました。」

と口早に言って病室を出た。

ドアを閉めて、私は軽くドアにもたれながらそっとつぶやく。

「母は強し…か。」