大切な記憶を

「ごめんなさい。でも、塾があるから…。」

「あ、そっか…。ごめんね…。もうみんな受験生なんだよね…。」

視衣ママのさみしそうな声に、私は少し申し訳なくなりながら、そっと聞いた。

「あの…、さみしくないんですか?」

「ん?何が?」

視衣ママはそういってやわらかい表情で私を見た。