大切な記憶を

いつの間にか病院についていた私達は、もう既に覚えてしまった道を通って、視衣の病室を訪れた。



ベッドの上の視衣は、変わらずに緑色のマスクを口につけたまま眠っていた。



「ねえ憐。」


「ん?」



「視衣…今どんな夢見てるだろう。」



「…」


「痛いよね、辛いよね、きっと苦しいよね。夢でも…痛い目にあってないかな。」



「…大丈夫だよ。夢では、きっと痛い目にあってない。」



「ほんと?」


「ああ。きっと。」